人妻

女性運がない男性を幸せに導いた話!

数年前出会い系アプリを利用した時のことです。
私は当時二十代前半、最も近い中心地は名古屋だったので、主にそこでいろんな男性と出会っていました。
私のアプリ使用目的は真剣に交際する人を探すことでした。ですから、別にマッチングして会った男性に食事やデート代を全て出してもらおうとは最初から考えていませんでした。付き合えるかという前に、まず友達になれるか?という判断をする上で、男性に奢ってもらう理由が私にはなかったからです。(下手に奢ってもらって、後でトラブルになるのも嫌だったのもあります。)

そういう考えのもと、ある男性とマッチングしました。年齢は五つほど上で、サラリーマンの方でした。彼とは昼間にランチをご一緒する約束をしており、名古屋駅で待ち合わせ。プロフィール写真よりも少し太っている印象でしたが、待ち合わせ時間よりも早く着いているし、挨拶も丁寧でいい人そうではありました。

事前のやり取りで、彼のおすすめの和食店があるとのことで、お店選びは彼に任せていました。しかしなんと、そのお店が臨時の定休日となっていて、彼はとても焦り、私にすみませんすみませんと謝り倒していました。

私は、別にあなたのせいじゃないから、別のお店を一緒に探そうと提案し、相談して近くにあったハンバーグが売りの洋食屋さんに入りました。
多分、私が「どちらかというと和食が好き」と言っていたためか、彼は食事中も非常に申し訳なさそうにしているので、何だか気の毒になってきました。なので「お腹が空いていたし、ハンバーグを久しぶりに食べられて嬉しかった」と伝えると、少しほっとしたようでした。

そしてお会計で、彼に私が食べた分の金額を渡そうとすると「僕のせいで予定が変更になったので」と受け取ってくれません。
私は「プロフィールにも割り勘がいいと書いたので、そうさせてください。それにお店の休みはあなたのせいではない。」と伝えました。

しかし、それでも受け取ってくれないので、私は彼に「コーヒーが飲みたい」と言い、喫茶店に誘いました。
「これは私のわがままなので、私にご馳走させてくださいね!」と、なんの気無しにいうと、なんと彼がポロポロと泣き出してしまいました。
私は、何か悪いことを言ったのかと焦りました。

とりあえず鞄の中からハンカチとポケットティッシュを出し、彼に貸し、彼を落ち着かせ、話を聞くことにしました。
どうやら、彼は今までマッチングアプリで知り合った女性に食事やデート代を全て奢っていて、それは別に気にしていないが、なんと女性が途中で音信不通になったり、ひどい相手だと食事中にいきなりいなくなったり先に帰った相手もいるのだとか。

だから今日も、私に同じことをされたらと思いながら行動していて、しかし私がそんなことをしない上にコーヒーを飲もうと言ってくれたことが嬉しくて、そして疑った自分が情けなくて泣いてしまったのだそうです。

私は、彼が今までマッチングアプリで出会った女性陣にドン引きしつつ、彼を哀れに思いました。もちろん「そんな女達と一緒にするな!」という怒りもありましたが…彼は女運が悪いのか?と思いました。確かに彼は、特別ハンサムでもなく、なんならプロフィール写真よりふっくらしていますが、礼儀正しく温厚で、本当に良い人です。

そんな彼を、世の女性はなんだと思っているのか。何だかもう、誰に怒って良いのかわからない私は「あなたと恋人になれるかはまだわからないけど、辛かった話を聞く友達には今すぐなれる。」と伝え、このコーヒーを飲んだら割り勘で飲みに行こうと誘い、その日は一日、早い時間から彼と飲み食いしました。

おしゃれでもない煙たい焼き鳥屋さんで、日頃人の悪口を言わないんだろうなぁという彼の愚痴を聞き、それを聞いた私が代わりに怒り、彼がそれを見て少し笑うという時間を過ごしました。
結局のところ、私は彼とはお付き合いすることはありませんでした。

ただ、彼とは共通の趣味も多かったので、飲み友達としてそのまま連絡を取り合っていました。そして彼は私の友人とお付き合いし、一昨年めでたく結婚に至りました。

友人には、私と彼の出会いも話しましたし、むしろその話をした際、その友人が「そんな良い人!私が付き合いたいわ!」と言ったことがきっかけで、私が二人を引き合わせました。友人も、私と似たような考えでしかもバリバリのキャリアウーマン。結婚した今でも、彼のお金に頼ることはありません。お互いを尊重し、対等で、仲のいい夫婦です。

私は、マッチングアプリを使ってよかったなと思えたのはこの出来事が唯一と言ってもいいでしょう。でも、それでもこの唯一のよかったエピソードを今でも大切にしています。
確かに、マッチングアプリや出会い系サイトでの縁というものは、決していいものばかりではないかもしれません。でも、人と出会うという意味では、なかなかいいものではないだろうかと思います。

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